Since '98.10.21
(2)農家の苦労'98

 ただいま農繁期。田圃(たんぼ)は大変なことになっています。

 本来、稲刈りの時期は水を切っておくので田圃はカラカラなのですが、このところの大雨で、水が浮いている状態です。しかも台風で稲が倒されてしまいました。この結果、稲の根は腐り、水に浸かった穂からは根はおろか芽まで出ている始末。台風前に刈り取ったところでは、切り株から新芽がぐんぐんとのびています。

 我が家は棚田が多い関係で、バインダー(稲刈り機)で稲を刈り、「はざ」と呼ばれる、いわば稲の物干し竿にかけて乾かしたあと、ハーベスタ(脱穀機)で籾を取る、という昔ながらの方法を採っています。

 これだけぬかるんでしまうと、稲刈りをするのも大変です。機械が沈んでしまって、思うように刈れません。台風前に刈り取ったところでは「はざ」が水浸しの田圃に倒れて、穂が腐りかかっていました(もちろん、「はざ」は作り直し)。また、稲穂が倒れたままでは刈り取れないので、いちいち稲穂を起こさなければなりません。地面はぬかるんでいます。機械がほとんど使えず、半分以上を人力で(つまり、鎌で一株ずつ)刈らざるを得なくなった田圃もあります。

 故に、稲刈りに例年の倍以上の手間と時間がかかってしまいました。コンバインを導入しているところでは、(コンバインは重いので)なおのこと時間がかかっているでしょう。

 これは我が家だけでなく、全国規模で起こっていることのようです。岐阜県でも同じようになっていました(この目で見た)し、JAの機関誌によれば福井県でも同様とのこと。今年の作況指数は98(やや不良・9/15現在)で収穫量に大きな影響はありません(だからニュースでも話題にならない)が、労力はいつもの倍以上かかっていることを忘れないでください。(いっぺんやってみろってんだコノヤロー!)

 ※根や芽の生えた穂は、栄養価や味は落ちますが十分食べられます。食べるところは脂肪の部分で、根や芽は精米時に削ってしまいますから。(98/10/02)


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