フリートーク10

院試顛末記

院試が終わりました。やれやれです。掲示板にも書き込んでおいたので結果から申し上げますと、第2希望の正畠研究室になりました。残念ながら第1希望は蹴られてしまいました。それではこれから、自らの反省と来年院試を受ける人のために、私の散り様(笑泣)を書き留めておきましょう。

システム

まずシステムの説明です。うちの学科の院試は、毎年8月末の火曜日から始まります。今年の場合は28日からでした。そして、1日目に英語と基礎分野の、2日目に専門分野の試験が行われます。で、3日目に第1希望の専攻の面接があります。この面接で、もう結果がわかってしまうのです。受かっているのならどこの研究室に配属になったか、落ちているのならその旨と今後の指示が与えられます。その指示に従って、4日目に第2ないし第3希望の面接を受けることになります。

試験問題の形式と配点は以下の通り。1000点満点で争われます。

実施日時間試験分野科目配点備考
8月28日(火)10:10〜12:00英語200点英文和訳(文章まるまる)2問・各100点
13:30〜16:30基礎分野基礎物理化学100点400点5科目のうち4科目選択
基礎有機化学100点
基礎無機化学100点
基礎分析化学100点
数学(微積分)100点
8月29日(水)9:00〜12:00専門分野物理化学100点×2400点各科目2問ずつ出題、8問のうち4問選択
有機化学100点×2
無機化学100点×2
計測化学100点×2

直前の1週間

FFXをクリアして、心置きなく勉強に専念できるかというと、そうでもないんです。以前日記にも書いたと思いますが、連続して長時間机に向かっていられない質なのです。それでも残りわずかだしバイトも免除してもらっていたので、以前よりは長い時間やってましたが、人の話を聞くと一日10時間とかやっていたようで、それに比べれば明らかに少なかったでしょう。

それより問題だった(問題視していた)のは、生活のリズムが大幅に後ろにずれていたことでした。バイトの終了時刻が深夜1時だというのもあり、就寝は午前3時とか4時とか、そして起きるのが12時過ぎは当たり前、ひどい時は午後3時なんてこともありました(朝までFFやってたからなんだけど)。試験は午前中からあるのでこれではまずいのですが、リズムを戻そうと早い時間(でも深夜1時)に布団に入っても、ちっとも寝付けないのです。結局いつもの時間にならないと眠れず、その結果起きるのもいつもの時間。仕方ないので強引に早い時間に起きて、このままでは勉強中に眠くなってしまうのでツーリングに出掛け、帰ってくる頃には疲れているからすぐ寝付けるだろうという作戦を敢行しました。これが試験4日前、この日は一応勉強道具を積んで行ったものの結局やらずじまいでした。

8月27日(月) 院試前日

そんなこんなで前日になりました。院試前日には研究室で「開運」という日本酒を飲む恒例行事があり、久々に研究室に行きました。前日に、しかも昼間から酒を飲むとは、と思うでしょうが、単なる縁起かつぎなので口をつける程度でいいんです。でも私はグラス一杯頂いちゃいました(笑)。これでも、もっと飲みたいのを我慢したんです(爆)。で、「今更じたばたしてもしょうがないかぁ〜」なんて思ってしまったわけです。そう思っていいのは今までしっかりとやってきた人だけであって、私の場合はまだあれこれ確認したほうがいい項目があったのです。

8月28日(火)院試1日目

朝、ちゃんと8時に起きられました。昨日は(目覚ましをかけなかったとはいえ)起きたのが9時半だったのでちょっと心配だったのです。

まずは英語。英語の勉強は、今更どうなるものでもないやい、ということで、この1か月余りの間全くしていませんでした。そもそも私は英文和訳が嫌いで、英文を英文のまま理解しようとする人なんです。こいつがあるために京大行く気がなかったと言っても過言ではないくらいです。でも目の前に問題があって、これに200点の配点がある以上、解かなくてはなりません。ざーっと文章を読んで、わかる単語を元に日本語の文章を作って、答案用紙を埋めました。

午後は基礎分野の試験。ここでは1科目捨てられるので、当初は物理・有機・無機・分析を選択し、数学を捨てるつもりでいました。数学そのものは嫌いではないのですが、微積は苦手で、数学基礎III(微積・後期)が取れずに基礎V(複素関数)を取ったくらいなのです。また、テイラー展開やフーリエ変換なんかも理解せぬまま、単位落としたまま(特別履修を申請しようとしたら試験で50点以上ないと認めないことになっていて、私は45点だった)。ところが、いざ勉強を始めてみると、有機化学の反応がちっとも覚えられないのに対し(特に、この物質を合成するためには何をどういう条件にすればいいか、というような問題)、昨年の数学の問題は何も見ずに8割がた解けてしまったので、作戦変更、有機化学を捨て数学を取りにかかりました。そうすると今度は、まともに解けた数学の問題は去年のものだけで、一昨年以前の問題ではそうはいかず、有機化学を取った方がましではと思えるほど。有機は全くできない訳ではなく、反応以外のところではそれなりに取れるのです。結局、有機化学を取ることにし数学は解けたら取ることにしました。

で、(今年の)問題を見ると、数学は「テイラー展開やフーリエ変換を使いなさい」と指定されているではありませんか。この時点で有機選択決定。その有機は例年に比べ易しかった気がしました。他の科目はというと、物理化学は「この部分は教科書のあそこのページに載っている!」というのはわかっても肝心の答えが思い出せない大問が一つ、さよなら25点。分析化学は覚えているかいないのか微妙な所を突かれ、無機化学では基礎分野では出ないだろうと思って覚えてなかった結晶構造が出たりして、どの科目も出来は半分くらいかな、という程度しか解けませんでした。半分ではちょっと、というか、かなり心許ないです。ましてや英語のことを考えると、もっと取っておくべきだったと思いました。

でも、試験が半分終わって、明日もあるというのに腑抜け状態。ガイダンスも志望順位はすでにある程度は頭の中で決めてあったので、物3の募集停止(=解体?)という話に驚かされた他はたいした内容でなく、すっかりたれていました。

ということで、明日の勉強をしなくてはいけないのに、終わったあと速攻で大須へ行き、みんなのGOLF3を買ってしまい、その上一気に8ラウンドくらい回ってキャラを7人に増やしてセミプロ級にランクアップさせてしまいました。それからガチンコの鈴鹿8耐を見てしまい、気付いたら11時。明日は今日より開始時間が早いので、起きられるかどうか心配です。

8月29日(水)院試2日目

ガイダンスが昨日のうちに終わってしまったので、今日は専門分野の試験のみ。こちらは朝9時開始と昨日より1時間以上早いので、がんばって7時に起きました。昨日と同じようにミスドに朝食に行こうかと思ったが、ちょっとばかし二度寝してちょっとばかし時間が無くなったので、まあいいや、ということでカロリーメイトの出番になりました。

研究室に寄って、試験会場へ。まず、試験に先立って回収される講座希望用紙を記入。第1希望(松下研)・第2希望(正畠研)を書いた後は、てきとー。一応考えて書いてはいるけどね。正畠研は人気薄なので、成績悪くても第2でひっかかるから、第3希望以下は多分無意味だろう、と思ったのです。ちゃっちゃっと書き上げた後は、計測化学の記憶ものをチェック。

開始10分前くらいになると、「悪あがきはやめて机の上のものをしまいなさい」指令が下るので、おとなしく従う。そして問題用紙が配られる。表紙から1問目が透けて見える。実在気体の状態方程式の問題。よっしゃ、解ける!と心の中でガッツポーズ。

試験開始の合図、とともに、問題をひととおり見る。物理化学(問題番号1・2)は多分いけそう。有機化学(3・4)はさっぱりわからん。無機化学(5・6)は、5のほうなら何とか半分くらいは解けるかもしれない。他で解けなかったら考えよう。計測化学(7・8)は、簡単そう。昨年出たGCがまた出題されていたのはびっくり。GCは昨年出たから今年は出ないだろうと手を抜いたので、ここだけお手上げ。とりあえずGC以外の計測化学に手を着け、物理化学へ。反応速度論の問題は今までと毛色が違うものだったが、こういう問題の方が暗記ものや計算もの(=手法暗記もの)より考えられるので好き。暗記しなきゃ点が取れない問題は、「そんなの本見れば乗ってるやん」と思ってしまうので嫌いだし、苦手なのだ。

結果、当初の予定通り物理化学と計測化学を2問ずつ取って、おしまい。時間が1時間ほど余ってしまったので、ざっと見直しをしたあとは、心の中で「しゅ〜りょ〜」と叫び、一人で解放感に浸ったのち、寝ました。本当に寝ていました。

試験終了の合図で起きて、提出。終わりました!終わりました!その場でFFXを貸し、研究室に戻って、食事に行って、帰宅!みんGOLをひとしきりやったあと、医者へ行くため実家に帰りました。

8月30日(木)院試3日目

口頭試問、いわば面接は午後からなので、午前中は実家で朝寝坊して、社長出勤。口頭試問とは名ばかりで、実際は結果発表。どこの研究室に配属になったのか教えてくれるのです。(ちなみに、ちゃんとした合格発表も後日ちゃんとあります。)私の心情は、昨日の試験ができた(と自分では思っている)ので一応は楽観モードなのだが、おとといのことを考えるとどうだろう?って気分。さて、どう転ぶのだろう?と思いながら待ちました。

1時半に面接会場の説明がうちの助教授からあった後、面接の順番の早い(=受験番号の若い)人が面接会場の隣の控室へ。この面接会場、うちらが雑誌会とか勉強会で普段使っている会議室で、案内役はうちの助手。さらには面接時間が一人1分程度だというのでそれなりの時間に控室に行ったところ、まだ面接が始まったばかりで、助教授が「お前ら研究室で待っとってもええぞ」というので研究室で待機、緊張感が薄らいでました。それでももうすぐ結果が出るということで、みんなそれなりに緊張していて、それを紛らわそうとしてました。

そして、いよいよ面接の順番が回ってきました。まずは控室に入り、面接が終わった受験生(受験生じゃん!)が「次の方どうぞ」と声をかけるので、廊下に出て順番を待ちます。この時が緊張の最高潮で、かつ俺は研究室の仲間の中では最後なので、とても緊張。助手に「なに緊張しとるの」なんて言われたけど、自分でも大きく構えて緊張を克服するようにしてみたけど、やっぱり緊張するわい。 で、前の人が出てきて、いよいよ俺の番。ドアをノックして部屋に入り、受験番号と氏名を告げて椅子に座る。そして言われたのは、「第1希望の松下研究室には、残念ながら不合格となりました。明日、物質制御工学の口頭試問を受けてください」。あー、そうですか。不合格ですか。はぁ〜。まぁ、しゃーないわなぁ。ただ、それをうちの教授を目の前にして言われるのは、痛いなぁ。

それからは、研究室に戻って、もう一人同じ運命になった仲間としゃべったり、助教授の裏話を聞いたり、以前同じ運命にあった先輩方の話を聞いたりしていました。それによると、今年の定員は少子化のために60人に減らしたが、受験者は予想より減って60人だったということ、それによって定員が基本的には各講座4人になったこと、(現在6人いる4年生のうち一人は就職、一人は別講座を第1希望にしていたので)無風区と思われたうちの研究室には、名大内から一人、そして名工大から一人やってくることになって、そのおかげで二人追い出されたこと、普通は他大学から受験するときはあらかじめ挨拶に来るものなのだが、その名工大から受けた人は「まさか受かるとは思わなかった」ということで挨拶には来なかったということ、希望順位の上から順番に見ていくので、途中に物質制御の講座があったらその時点で「向こうに行け」と言われてしまうこと、第2希望の面接は(人生相談が入るので)今やっている研究内容とか聞かれてかなり長いということ、などの情報を得ました。さあ、どうしようか。

夜、院試お疲れ飲み会がありました。でも、とても飲んでる気分にはなれませんでした。飲んでたけど。

8月31日(金)院試4日目

本来ならなかったはずの、第2希望・物質制御工学専攻の口頭試問。朝9時半からと結構早いので、起きられるかどうか(また)心配だったが、ちゃんと間に合いました。第2希望の口頭試問を受けるのは、対象全学科合わせて約30名。それっぽっち。しかも、講座の希望を改めて取ったあと、人によっては2度目の口頭試問を行う場合もあるから、その場合は上の講義室で待機していなさい、という指示なんか出ちゃったりする。実際、私の番は10数番目だったが、それまで1時間以上待ったのだ(講座の希望調整でごたごたしていたらしいが)。

おどおどして待っていたら、ようやく私の前の友人が呼ばれていった。あー次か、と思って、廊下の待合い椅子に移動すると、もう友人が出てきた。早いじゃん。で、私の番。中に入ると、物質制御の全教授が受験者を取り囲むように座っていて、かなりの威圧感。で、受験番号と名前を告げて椅子に座ると、「物質化学の松下研のほうは不合格になりましたが、第2希望・正畠研は合格です。がんばってください。」で、おしまい。次の人〜。案外あっさり終わったじゃないか。

というわけで、自分の番はあっさり終わって、正畠研に決定しました。時刻は午前11時。研究室に戻ると、教授から各人に対して院試の講評をするとのこと。それによると、案の定というか何というか、英語は全合格者中最低レベルだったらしい。1/3程度しか取れていなかったそうだ。あう。そりゃそうだろうなぁ。基礎分野も、手応え通り半分弱の出来、専門分野は上位陣と同じくらいの点を取っているそうで、こちらも手応え通り。英語はともかく基礎分野の不出来は明らかに勉強不足が原因なので、ここを英語の不出来を補えるぐらいの点を取っておかなければいけなかったかなぁ、と思ってはみるが、今更仕方ない。

結論。英語をなめてかかってはいけないよ。おしまい。このまま、飯食って、東北へ出かけました。


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