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2003年07月10日(木) 就職試験 [長年日記]

朝7時にセットしておいたアラームが鳴っている。わかってるけど、起きられない。この程度のアラームで起きるはずがない(笑)友人が先に起きてしまい、あちこちくすぐられて起こされる。その後もぼーっと突っ立っていたりしたので、「酔拳みたいだ」と言われる。

やっぱり眠れない。睡眠薬に頼るしかないのか。

7時半過ぎに友人宅を出発。目覚ましに何か飲もうと、自販機に120円投入。バニラコークを飲んでみたいが、試験前にそんな危険なものは飲むべきでない(笑)ので、無難にお茶にする。

203系統で烏丸今出川へ、そこから地下鉄で京都駅へ。京都駅直通の5系統や17系統は、時間が読めないので恐くて使えない。

同志社前で裃を付けた女子高生を見掛ける。うちの高校だけじゃなかったのね。それにしても長袖スーツは暑い。

京都駅の地下街にあった喫茶店で朝食。アイスコーヒーにガムシロップを入れなくても平気になっている。着替え類をコインロッカーへ。

各駅停車に乗り、長岡京にある某大手半導体会社へ。採用試験は、これが事実上初めて。絶対まちがってる。

会社からの案内には専門試験があると書かれていたのでびくびくしていた。ところが、内容はほとんど高校化学で、拍子抜けした。ちなみに、化学系だから化学の問題であって、電気系なら電気の、物理系なら物理の問題だった。

適性検査を3種類もやらされた。知能検査のようなものは、制限時間内では確実にこなせない分量の問題数を用意している(はず)ので、問題をやり切ると快感だったりする。

性格検査は、今回だけでなくあちこちでやっているが、あれで本当に性格が解るのだろうか。結果を知りたいものである。

性格検査の設問には、往々にして回答に窮するものがある。例えば「私は嘘をついたことがない。」という設問に「はい」か「いいえ」で答えるとする。自分は「一生で一度も嘘をついたことがないかと言われたら、そりゃ何度かあるかもしれないけど、嘘なんてついた覚えもないし、(積極的に)つこうとも思わない」なんて開けっ広げな考えを持っていたら、どちらにマークすればよいのだろう。

改めて、自分の中にある矛盾に直面する。例えば、「肩書きでなく、その人そのもので評価したい」という思いと、「その程度の大学には負けねぇ」って思い。

昼食は別棟にある社員食堂、の隣にある、「レストラン花の木」みたいな雰囲気の場所にて、特製?お弁当。学校推薦だからか、優待されていると思う。交通費も出るし。

昼時なので、当然、社員食堂では多くの社員の皆様が昼食をとっている。自分もこの中に呑まれてしまうのか、と思ったら、恐ろしくなった。

逃げ出したくなった。ここにいてはいけない、と思った。

モラトリアムが欲しいだけなのか、お前は学校名も背負ってるんだぞ、と思い直す。

午後には小論文の試験がある。事前にテーマが与えられなかったので、特に何も考えてなかった(考えられなかった)。

テーマは「あなたのセールスポイントを挙げ、この会社でどう生かしていきたいか」。自己アピールそのものだった。制限時間は1時間。

書けない。今の自分じゃ、セールスポイントなんて、書けない。

それでも白紙で出すわけにはいかない。とりあえず書いた。「どう生かすか」については時間切れになってしまったが、セールスポイントとして以下の3点を挙げておいた。今後のために記しておく。

  1. 新しい知識や技術、システムを逸速く吸収し、自分のものにすることができる。
  2. 何が目的で、何が問題点かを常に認識し、方針を論理的に考えることができる。
  3. 完璧主義で、とことんやらないと気が済まない。

2つ目は研究者として当然のこと、3つ目は長所というよりむしろ短所に思う。やっぱり、書けない。

続いて、面接。一人当たり20〜30分あるらしく、かなり待たされる。遠方の受験者から行われるらしいが、名古屋からというのは相当近い部類に入るらしい。

面接では、やはり志望理由とか、会社で何をしたいか等を聞かれた。矛盾したことを語っていたと思う。完璧主義なのに思いつきで行動する。とか。

志望理由なんて明確でない。「まだ採用試験をしていた」くらいなもんだ。いっそのこと、そう言ってしまったほうがもよかったかもしれない。

他に受けた会社を聞かれたので、「某電機を受けて落ちました、事情により就職活動を始めたのが6月なので、受けた会社はそれだけです」と正直に語っておいた。

やはり事情とは何か聞かれたので、「今の研究テーマに変わったのが昨年12月で、ある程度の結果を出しておかなければ就職活動できないと思った」と答えた。

教授が学生の就職活動を止めさせるわけない、それは自分の判断によるものか、の問いには、「そうしないと気が済まなかった、小論文にも書いた完璧主義のためだろう」と答えた。これで「完璧主義」は欠点だ、との方向性を明確にしてしまった。

つまらないことで自分を縛りすぎていないか、自分。

その他、研究内容の説明(昨日作った資料は結局使わなかった)や、今までの最大の挫折は、とか、健康状態、勤務地の希望、などを質問された。

およそ30分で、面接終了。さほど長いとは感じなかった。

まだ順番待ちをしている面々(といっても残り3人)と軽く言葉を交わし、社を後にする。既に6時半、予定では6時に終わるはずなのに。

とにかく、終わった。やれやれ。自分、お疲れ様。変な歩き方のせいか、すねが痛い。

京都駅でコインロッカーの荷物を受け取った後、素直に(鈍行で)名古屋へ帰る。途中、草津で夕食。京都に来て一度も天下一品に行かないのは残念だが、京都くらいいつでも来られるし、仕方ない。

バニラコークを買った。周囲はまずいまずいと言うが、意外と普通に飲めた。ドクターペッパー様みたいなものか。

帰りの電車では、ずっと読書。18きっぷ期間でないので、米原→大垣の電車もがらがら。

11時過ぎに帰宅。本山駅から下宿までの徒歩10数分が体に堪える。面接が終わって以降、精神的には安定している。

湯船に浸かりたかったが、早く横になりたかったので、さっとシャワーを浴びて就寝。寝付きは悪かったが、薬に頼らず眠る。


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